建築士カトーのヒトリゴト

木造耐震診断及び補強(2)

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TOKAI-0
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本日、先ほどまで静岡市で行われた木造住宅の構造設計の講習会に出ておりました。

過去の地震でどのような納まり、構造の住宅がどのような被害が発生しているか、その原因はどこにあったのかを構造力学的に解説した講習でした。

やはり、耐震補強は大事ですね。
過去の物件では当時の考え方がいかに地震に対しおおらかであったかが、今更ながらに感じます。

さて、木造住宅の耐震診断及び、耐震補強工事にかかる役所の対応はどうなっているのでしょうか。

静岡県では、「TOKAI-0」といって、全県下で木造住宅で
目標「東海地震における旧基準の木造住宅の倒壊による死者をゼロにする。」
を事業概要に進めています。

その背景は阪神・淡路大震災の教訓にあります。
阪神・淡路大震災は、死者6,430名倒壊家屋104,900棟被害総額9兆9,268億円と自治省消防丁で発表しています。蓮怜

圧死、窒息者が死者の84%、15分以内の死者は全体の死者の92%と消防庁では言っています。蓮怜

「TOKAI-0」  アクションプログラム2006で今後の目標が示されました。

平成17年6月に公表された住宅・建築物の地震防災推進会議「提言 住宅・建築物の地震防災対策の推進のために」では、10年後(平成27年)の住宅耐震化の目標を9割と定めており、これを達成するためには毎年全国で耐震改修10~15万戸/年程度(現状の2~3倍)、建替え45~50万戸/年程度(現状から年5~10万戸増)とすることが必要とされています。
 平成13年5月に公表された静岡県『第3次地震被害想定結果』によると、東海地震の建物倒壊による死者数は、4,646人と想定され、(発生時間帯で変化)これを半減させるためには、住宅の耐震化率を10年後(平成27年)に90%まで引き上げていくことが必要であり、これを目標とします。

 住宅の耐震化目標を達成するためには、現状の住宅総数約127万戸のうち、耐震性不十分と推計される約34万戸を約12万戸まで減少させるため、耐震性が不十分な住宅の耐震改修および建替えが必要となります。

 国では、毎年の耐震改修等の戸数を現状の2~3倍、建替えを現状の5~10万戸増(1.25倍程度)としているので、静岡県ではこれを踏まえ、耐震改修を約6千戸/年(現状の2倍程度)、建替えを約1万7千戸/年(現状の1.25倍程度)とします。

実際具体的施策は次の通りとなります。

プロジェクト「TOUKAI-0」
1. 専門技術者・団体と耐震診断の推進、相談体制の推進、民間との連携強化
2. 技術、補強計画、補強工事の推進
3. 補助金制度の充実
耐震補強公的補助金制度の推進
補助金制度の活用と税の優遇措置の要請
4.広報・情報提供の推進施策
以上が大きな施策項目です。

ここからは3番の補助金制度について絡めて耐震補強診断と補強工事についてお話しします。

実際に、自分の家が大丈夫だろうかと心配している人は、どうしたらいいのか、補助金はもらえるのか、と言った話を次回からお話しします。

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