建築士カトーのヒトリゴト

2007年8月アーカイブ

地域に見合った家づくり(2)   

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前回、気候の温暖化をお話しすると同時に、浜松市地方がいかに暖かい地方であるかデーターでご説明いたしました。

生活様式ではどうなっているか整理してみましょう。

北海道の建築は厳寒の気候に耐えるため独特のつくりがなされています。
窓はサッシ自体が二重になっており、硝子も複層硝子(ペア硝子)に成っています

壁の中もしっかりとグラスウールやポリエチレンフォームなどの断熱材がしっかり入れてあります。

さて、インターネットなどによって情報の共有化が進み、日本でも沖縄に次いで最も暖かな地方に住む私達も厳寒の地の人達の建築日記をなるブログを多く目にするようになって、遠いところに住むはずの人の話が身近で手に入れることができます。

私は住宅というものは、北から南まで3000kmの日本では、地域ごとに仕様が違って当たり前だと考えています。
ブログの中の話はいったいどこの地域に家を建てた人の話なのか、いったいどこの地域を主体に営業しているメーカーさんなのか工務店さんなのか知っておいて読むべきです。

私のところにも違う地方の人の「我が家の建築日記」なるのもを読んで、そのままその仕様を持ち込んでくるお客が最近多くなってきました。
大変危惧しております。

冒頭お話しした、北海道の家、きっと高気密高断熱の家でしょうね。話だけ聞くと、あこがれますね。同じ構造で建てたくもなります。
しかし、良く調べると、冬になると日中でも零下の外気温が続く地方の話です。前回のデーターで、札幌市の1971年からの30年間の1月の平均気温は-4.1℃で浜松より9.9℃も低いのです。
おそらく、真冬に厚着して室内で過ごす浜松市地方の生活様式と冬にがんがん暖房してTシャツで過ごす札幌市の生活では室温設定が3℃、4℃は浜松のお宅より暖かくしていると考えられます。

外気温と室内温度との差が、14℃も違うことは大げさの話ではなさそうです。

このシリーズでは、私の母校の芝浦工業大学の環境システム学科で教授をしている三浦昌生先生の著書も元に(営業を目的な外断熱などの偏った意見を最もらしく書いている本が多いので注意しましょう)営業トーク無しの公平な立場のお話しをしていきたいと思います。

今回調べたところ、学術的な公平な文献が本当に少ないことに驚きました。目にとまるのは住宅会社、材料メーカーの出している、宣伝本ばかりなのです。そのような偏った考えの本や、ブログに洗脳されている方々に、公平な考えを是非知ってもらいたいという目的で、今回の断熱と結露のシリーズを書くことを決めました。
だんだん、本題に入っていこうと思います

地域に見合った家づくり(1)   

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今年の夏は非常に暑い夏ですね。
毎年、毎年どんどん暑くなっていくんでしょうね。
ちょっと気象庁のデータ調べてみました。

1971年から30年間の浜松市の
8月の平均気温が26.7℃ 
8月の最高気温の平均値が30.7℃
今年の8月の平均気温が今日までで28.1℃
今年の8月の最高気温の平均値が32.6℃  でした。

平均気温で1.4℃の差
最高気温で1.9℃今年は高いことになります。

どんどん温暖化が進んでいます。

1月の気温も調べて見ました。
今年の1月の平均気温は7.4℃
最高気温は14.4℃
最低気温は1.0℃で平均気温は7.4℃でした。

調べたら浜松市の今年の最低気温は零下が1日もありませんでした。

1971年からの30年間の1月の平均気温は5.8℃
1971年から30年間の1月の最高気温の平均値10.1℃でした。

今年の1月は平均気温で1.6℃
最高気温の平均値でなんと4.3℃も高かったのです。

1883年から15年間の1月の平均気温は4.6℃でこの最近の30年間の平均よりさらに1.2℃低いのです。

明らかにどんどん温暖化が進んでします。

さて、地域で考えるとどうでしょうか。

札幌市の1971年からの30年間の1月の平均気温は-4.1℃で浜松より9.9℃も低いです。最高気温となると札幌は浜松より1月は平均11℃も低い結果が出ています。

甲府市で同じく平均気温は浜松の1月より3.3℃低く、名古屋市で1.5℃低い結果が出ています。

浜松市地方がいかに暖かい地方かが分かります。

そこに住む私達にはこの地方にあった、建物の特徴があってもいいのでは無いでしょうか。

この温暖化にあった建物の特徴があってもいいのではないでしょうか

これから、その当たりを断熱と結露について話をしていきたいともいます。

一線を引かないで頂きたい

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私達の会社は請負という仕事をしています。
建築部門ではビル工事を請け負い、土木部門では道路工事を請け負い、住宅部門では住宅工事を設計施工で請け負っています。

「受けた時点で負けている」と書く請負、施主が強くでて上から下を見下ろしても仕方ないと、どの会社の方も考えているのだと思います。

しかし、私の部署「なかけんハウジング」での考え方は少し違います。

お施主とはあくまで心を通わせて最終的には一生のお付き合いのできる友人関係に成ることを目差しています

設計をしているとき、お客の顔が浮かんできたら、「よしもうひと練りしてみようか」と思うものです。そうでなければいけません。

工事をするとき、お客の顔が浮かんできたら、「よし、もう少し細かく手をいれるか」となります。そうならなければいけません。

コーディネイトするとき、お客の顔が浮かんだら、「よし、もう一プラン考えてあげよう」となります。そうならなければいけません。

これらの行動は会社で決められたマニュアルを超えた、個人的に一歩踏み込んだサービスです。

その為には、心が通わなければそうは成りにくいのです。

ある面仕方の無いことです。「親しい身内、友人の仕事には力が入ってしまうもの」などは良い例です。

身内でもない、友人でもないお客に対しては、マニュアル通りの一通りの対応が普通であるはずです。マニュアルを決めそれにしたがわなければ、対応自体が低下してしまいます。
それをその先、もう一歩踏み込んだ対応、請け負けしている側の業者という立場の人には「過度の親切」という行動に成ってしまうのです。当然マニュアルを超えた「親切」は仕事が増えるといった具合に、個人の負担という重荷に成ってくるからです。

この「親切」という行動は、マニュアルを超えた行動であり、自然と出る行動です。指示命令でできるものではありません。お客様と心が通ったとき自然とでる行動です。

残念なことに企業としては、マニュアルを超えた、その上のサービスは過剰経費の行動と仕事と判断されて、マニュアルがマニュアルの意味を持たなくなります。そして企業にとって利益を生まなくなります。

しかし、いくら企業でも個人の親切を止めることはできません。

これが、私がお客様にいつももう「一線を引かないで頂きたい」理由です。

心を通わせ、協同作業で家づくりしたいと考える由縁です。

企業人であっても、人として正しい考えではないでしょうか。

驚いた書き込み

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弊社もいよいよ長い盆休が終わり、本日より仕事再開です。
と言っても、工事関係者は先週末から出勤していましたし、私も17日終日と18日にはお客様訪問、19日に展示場で一日仕事してましたから、今日から再開という感じではありませんが、とにかくまた目の回る忙しさが再開します。


さて、今日は表題の件

先日、mixiを見ていて時のことです。

あるコミュニティの書き込みに気になるものを見つけました。

そのトピックは以下の内容でした。
「家を建てようと考えています。建築はお願いしたい工務店がすでにあるのですが、土地を探していただいた会社が是非我が社の方で建てて頂きたいと言うので、困っています。・・・・・・」という内容のものでした。

それに対するAさんの書き込み
「一生に一度の大金を掛けた一大事です。自分の納得するようにわがままを通すべきです。土地が条件付きで無いのならば、土地を紹介してもらった会社に建ててもらう必要はありません。私も先日そのような形で家を建ててもらいました。この一大事では、わがままは許されます。」と言う内容でした。聯怜

私は我慢できず、反論の書き込みをしました。

「一生に一度の大仕事だからといって、何をしてもいいのでしょうか?土地を4社の営業の方に探させていると言うことですが、その会社の営業の方は、土地さえ見つければ家を建てさせて頂けるとの一心で探しているのではありませんか。その努力を騙すようなことをしてはいけません。そのことが分かっているのであれば、始めから建てる工務店は決まっているとはっきり言ってあげてください。「あなたの会社には手数料だけは払います。家は別の工務店が決めてあります。」 と。
一生に一度のことだからわがままは許されます。というAさんの考え方はあまりにモラルのない、悲しい行動です。」
と書き込みました。 

翌日
「土地の契約はやめました。あくまで建てたい工務店にこだわって他の土地を探します。加藤さんの人として正しいことのブログ読みました。その通りだと思います。」というものでした。

ホッとしました。

最近本当に多いのです「一生に一度のことだから、わがままは許される」というような、自分中心の考え方をする方が。輦怜

私達は日頃、「自分だけよければいい」と言う考え方はとしているはずです。
新潟で地震があればボランティアに人が集まるのも、そういった考え方の基づくものでしょう。

お互いに助け合って生活していく中には、最低限の常識とモラルを共有していなければなりません。

ところが「自分が得する」という場面ではこれらの考え方がどこかに飛んでいってしまって無くなってしまう人がいるのです。

新潟地震にあった方は気の毒に思う心はあるのですが、自分のこととなるとモラルも無くなり「違法さえしなければいいのだ」とわがままになってしまうのです。

悲しい人になってしまうのです。蓮怜

私は、自分自身はもちろん家族も、私の廻りの人間もそうなってはいけないと思っています。囹囹

この書き込みに対する、反論を書き込んだところ、関西の44歳の設計事務所を個人で開いている方からメールを頂きました。

書き込みを見て、「全く同感だと感じました。そしてブログを見てやはり同じ考えなんだとうれしくなりメールしました」との、うれしいメールでした。
同じ考えの設計士の方が、応援してますと言ってくれる人が、いて良かったと、ホッとしています。秊

実際の耐震補強状況

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実際にこの春私が行った診断した住宅の補強の様子をお見せいたします。

補強の施工ポイントは
・ 筋交いを、位置を指定して入れ増す。
・ 筋交いを大きな部材に入れ直す。
・ 既存筋交いの端部を金物と新規に取り付けて補強する。
・ 柱と梁にジョイント部分に金物を取り付けて補強する。
・ 床下にコーナー火打ちを増設する。
・ 床下束に根がらみを設ける。
・ 小屋裏に小屋筋交いを設ける。
・ ホールダウン金物を設ける。
等です。

では、実際に写真を見ましょう。


押入筋交い追加.JPG
筋交いを増設しました。下部に火打ち金物の増設が見えます。


筋交い金物追加.JPG
筋交いに金物を付けました。


柱金物止め.JPG
柱に止め金物を追加しました。


筋交い工事後.JPG
屋根裏に小屋筋交いを追加しました。


ホールダウン取付.JPG
計算された位置にホールダウン金物を追加しました。


施工中.JPG
施工中です。外壁をめくって工事しています。


以上簡単ですが、補強した様子です。

能登半島地震を見てきた私には、ここ浜松でも今のままでは沢山の倒壊家屋が出ると心配します。そうなる前に、自分と家族の命を守るために耐震診断、耐震補強してほしいと思います。

今回で耐震補強の話は一段落します。
後日またの機会に別の角度から、耐震補強の話はしたいと思います。
耐震対策では、新築住宅では、「免震装置を付ける」  「制震装置をつける」 なども大変効果があります。その当たりもお話ししましょう。

 補強計画の策定に対する補助【木造住宅補強計画策定事業】

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実際にこの春私が行った診断した住宅のお話しをします。

このお宅は昭和49年の建築でした。
「耐震性が心配だから見てもらえないか」というお電話を頂きました。

ここで注意
私がたまたま診断資格があったから良かったのですが、ご依頼の方は誰でもできる(誰でも補助金申請できる)と頭から思って電話されていました。

診断には有資格者が必要と言うことを覚えておいてくださいね

まず、浜松市役所建築住宅部建築行政課に 診断するので補助金をください  の申請を行います。
個人では難しいので私が代行しまた。
この辺りは前回からお話し済みの事ですね。

後日、市から  「TOUKAI-0総合支援事業補助金の交付決定通知」  がお客様のところに届きます。

その後診断のための家屋内調査を行いました。事前に行ってしまうと補助金が降りませんので注意しましょう。

調査は、屋根裏、床下にまで及びます。

では実際に写真を見て見ましょう

・屋根裏の様子。小屋裏の小屋筋交いがありませんね。
・筋交いの端部が金物で止められていないのが確認できます。
・小屋束も釘で止められているだけですね。
・よく見ると、天井裏の断熱材もありませんが、壁の断熱材も入っていません。(天井裏・壁に断熱材がない家はこの時代には多いですね)
・床下に根がらみがありませんね。
・腐っているようなところは無いようです。
・床束に金物が使われていません。
・床土台に火打ち梁がありません。

小屋筋交い無し2.JPG
小屋筋交いがありません


筋交い金物.JPG
筋交いの端末に金物がありません


壁断熱無し.JPG
壁の断熱材がありません
火打ち金物が入っているのが分かります


床下.JPG
床下調査風景


床下根がらみ.JPG
床束に金物無い・床束に根がらみが無い状況


床下火打ち.JPG
床下のコーナーに火打ち梁が無い様子


基礎鉄筋.JPG
基礎鉄筋センサーでの確認

この調査の結果を持ち帰り、コンピューターに入力して耐震数値を割り出します。

次回は、この後の補強写真をお見せしましょう。

秊 オーシャンズ13


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4日「オーシャンズ13」を見てきました。

ジョージ・クルーニーがセクシーですね。
私と同じ年くらいです。
彼のようにセクシーになりたいと思いますね。

「ER救急救命室」の小児科医役タグ・ロス役で皆さんにもお馴染みですね。


3guys_01_1024x768.jpg

ブラット・ピットはかっこよすぎます。
最近の「Mr&Mrs」 、「バベル」では全く違う役所で印象的でした。
アンジェリーナ・ジョリーとの間に子供がいます。

マット・デイモンは芸歴を付けた今では似合わない若造役で出てます。
ハーバード大学(中退)の頭脳で脚本賞のオスカーも取っている才能の持ち主はここでは軽い役所です。
「ボーン・アイディティッティ」はかっこよく好きな映画です。DVD買いました。
最近の「ディパーデット」でもいい演技してます。

ところで、映画見終わって皆さん誰もが、いったい誰と誰で13人なんだろうと指を折ったのでは無いでしょうか。
私ときたら、未だに13人が誰なのかわかってません。秊
ちなみに、次回のオーシャンズ14ではその14人目に渡辺謙さんを、とジョージ・クルーニーが言ったと伝わっています。プレミア試写会でのことです。


トランスフォーマー

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5日には「トランスフォーマー」を見てきました。

まぁ、屈託無く面白かったですよ。

なっと言っても迫力ある映像が続き、疲れてしまうほどでした。

transformers1_1024.jpg

ここにでている、レイチェル・テイラーは注目です。
なぜ?
私の好みの女優さんですから。
個性のある演技はしていませんが今後を注目します。

国防長官役のジョン・ヴォイトは私に印象ある俳優さんです。
オスカー俳優さんですね。
悪役もする、役どころを選ばないいい役者さんです。

1979年の「チャンプ」は大学生だった私は渋谷に2回も見に行きました。
大泣きしたとっても好きな映画の一つです。
共演のフェイ・ダナウェイは同時もっときれいな女優さんの一人でした。
映画冒頭の厩舎の朝靄のシーンは今でも思い出されます。

ちなみに。彼の娘は先ほど出てきた、アンジェリーナ・ジョリーです。唇のあたりはそっくりです。

久しぶりに映画に満喫した週末でした。

あともう少しで6000ポイントです。[
1ヶ月間フリーパスポート]ゲットも間近です。

耐震診断・補強工事したい人はどうすればいいの(後編)

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では、前回のフローをもう少し詳しくお話ししましょう。

みなさんはどうしたら耐震診断できるのでしょうか。
 
【昭和56年5月31日以前の建物】の確認    
     
     ↓

【専門家による無料耐震診断「わが家の専門家診断事業」】 
 
お住まいの市町村の建築住宅課に連絡してください。無料で簡易診断が受けられます。
ここで、大方の安全が確認できます。

     ↓  ただし我が家の専門家診断を受けなくても
        下記は申請できます

【補強計画の策定に対する補助「木造住宅補強計画策定事業」】 

診断する場合の補助金制度です

この補助金を受けたい方は、建築設計事務所に耐震の診断の依頼をおこいます。

ただし、
・静岡県木造住宅耐震補強相談士
・木造住宅の耐震精密診断講習会受講修了者
・静岡県の木造住宅耐震講習会受講者
・震災建築物の被災度区分判定基準及び復旧技術指針講習会受講者
・住宅直し隊
・静岡県内の木造住宅の耐震精密診断と補強方法(改訂版)の受講者

の資格を持った方の診断が条件となります。

無資格者では補助金が頂けませんので注意してください
ここで補助金をもらうには

「申請」 → 「市からの診断の許可」 → 「設計士による診断」 → 「設計士による補強計画」 → 「設計費の支払」 → 「補助金支払いの申請」 → 「市からの補助金の入金」

の手順をとらなけばいけません。

ここで補助金は診断費用の3分の2。ただし9万6千円が上限です。
私はいつもこの市役所への申請、お客様の代理に行っています。
     
     ↓ 次に
   
【補強工事に対する補助「木造住宅耐震補強助成事業」】

補強工事を行うときに頂く助成金の制度です。

耐震性に問題がある木造住宅の耐震補強工事に対して、30万円の補助金が受けられます。市町によっては、高齢者のみの世帯や障害のある方と同居の世帯に対する割増補助や独自の上乗せ補助があります。

対象住宅は 静岡県内にある、昭和56年5月31日以前に建築された、耐震診断の結果が総合評点1.0未満の(「倒壊又は大破壊の危険がある」又は「やや危険がある」)木造住宅となります。

補助金は30万円が上限です。65歳以上の者のみの世帯にはさらに20万円が加わります。(市町村によって変わりますので問い合わせて確認してください)

ここでは以下の通りのフローとなります。

「申請」 → 「市からの診断の許可」 → 「補強工事」 → 「工事金の支払い」 → 「補助金支払いの申請」 → 「市からの補助金の入金」

の手順となります。手順を間違えると補助金がもらえませんので注意します。

いずれにしても大変な作業(申請業務)となります。個人ではできるのではありません。私はお客様に変わって申請をしていますが、他の仕事ができなくなってしまうほどです。

実は今年4月より診断方法が変わりました。

今までの診断方法を「簡易診断方」

新しい診断法を「精密診断方」と呼んでいます。

浜松市では両方受け付けているようですが、講習では4月より今までの「簡易診断方」では受付られなくなると説明を受けました。

自治体によっては、「精密診断方」しか受付しない所もありますのでご注意ください。

この「精密診断方」は今までより診断が厳密になり、計算も相当な構造設計の先生でないと手計算はできない難しさとなりました。
しかし、正確に算出されるため、補強部位が減り、工事費自体は減額される結果が得られます。

「簡易診断方」は簡易なだけに安全率が高く設定され、補強ヶ所も増えると言うわけです

現実両方使い分けてみると明らかに補強ヶ所が今までの診断だとむやみに多いのかが実感します。

しかし、現場診断の手間も今までとは違い大幅な丁寧さが必要と成りました。
言い換えると、手間がかかる。すなわち診断にかかる人件費が大幅にかかるように成ったと言えるわけです。

先日、浜松市の窓口で聞いた話ですが、「今年4月からTOKAI-0の申請が大幅に減った。設計の人が人件費み見合った業務でなくなったので、診断をお断りしている話を何人からも聞いた」と言っていました。

精密診断ソフトは市販で10万円を超える物を使わないとできない状態です。
7月静岡県建築士会でエクセルによる新診断ソフトが安価で出ましたが、現実的には使いこなすには今一つ無理があるように聞いています。

私も今後の精密診断は行うべきかどうか難しいところにあると、費用対効果(掛けた時間が報酬として戻ってこないのでは)を考えているところです。

次回お見せしますが、床下・屋根裏をはい回る作業もどれだけ大変か知っていただけたらと思います。


次回は実際の診断、補強工事を写真でご紹介します。

耐震診断・補強工事したい人はどうすればいいの(前編)

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今回と次回は、実際に自分の家が大丈夫だろうかと心配している人は、どうしたらいいのか、どうすれば補助金はもらえるのか、と言った話を話します。

分かりやすいフローで説明しましょう

まずあなたのお宅が昭和56年5月31日以前に建てられた家かどうか を確認してください。

市役所に行きますと、「固定資産課税台帳登録証明書」という物を発行していただけます。そこに固定資産対象のあなたの家が何年に建てられたものかが書かれています。

補助金対象の方は、ここに書かれている建築年月日が昭和56年6月以前であることが必要です。

実はご存じの通り、建物はどのようにつくるかは建築基準法,建築基準法施行例,建設省告示などによって定められています。
地震に対して建物をどのようにつくるかもこれらの法律などによって定められ,それらをまとめて「耐震基準」と呼ぴます。

現在の耐震基準は,昭和56年6月に施行されたもので,以前の耐震基準と区別するために「新耐震基準」と呼ばれていて,現在建物はこの新耐震基準にそって建てられています。

すなわち、昭和56年5月31日以降の建物は新耐震基準で確認申請が出された建物だから、一応耐震性があると判断され、補助金の対象から外れているのです。


 (昭和56年5月31日以前の建物 の確認) 

     ↓

 (専門家による無料耐震診断【わが家の専門家診断事業】)

     ↓ 
 
ただし我が家の専門家診断を受けなくても下記は申請できます
 (補強計画の策定に対する補助【木造住宅補強計画策定事業】) 

     ↓

 (補強工事に対する補助【木造住宅耐震補強助成事業】)  

これだけではよく分かりませんね。
次回は誰でも分かるようにこのフローの説明をします。

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