建築士カトーのヒトリゴト

木造耐震診断及び補強(1)

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今週は映画を見に行きませんでした。
見に行こうにも、見る映画がありません。まさかポケモンと言う訳にもいかないので、静かに過ごした週末でした。来週またご報告します。

さて、中越沖地震ではその後住宅の被害数が明確に成ってきました。

7月16日に発生した新潟県中越沖地震による被害が、総務省消防庁の7月22日16時30分の発表で、
死者10人重傷負傷者148人
軽傷負傷者1,694人
全壊が953棟
半壊726棟
一部破損7,526棟
火災件数3件
と発表されています。

住宅の被害は古い木造住宅や土蔵などに集中していると報告しています。

全壊した953棟も耐震補強工事をしていれば、おそらく10人の死者のうち建物の下敷きになり亡くなった方の多くが助かったのではないでしょうか。
また、重軽傷1,842人の方々の多くは怪我せずに助かったのではないでしょうか。

耐震補強工事をしても、大地震が訪れたとき建物がびくともしないと言うわけではありません
倒壊せずに建ちこらえる という言い方が正しいのかもしれません。地震後使い物に成らず、解体しなければならない家も出るでしょう。補修で済む家もあるでしょう。しかし何と言っても、倒壊した家屋の下敷きになったり、その為怪我したり、最悪死亡事故になるという事態からは防げると言うことはできます。

さて、私達静岡県ではどのような被害が想定されているのでしょうか。
静岡県では、http://www.e-quakes.pref.shizuoka.jp/data/pref/higai/index.htmlの中で各市町村の町名別に詳しく被害想定を発表しています。

たとえば、私が今居る浜松市中区中沢町では震度6弱が96%、6強が4%発生。建物総数1,026棟のうち木造家屋が748棟、被害建物は大破が69棟、中破が180棟一部損壊が182棟というように詳しく出ています。
お隣助信町になると震度6弱が100%、建物総数が798棟、木造家屋が535棟、大破が38棟、中破が109棟、一部損壊が145棟と
県内どこでも町名別に詳しく被害想定が出ています。

また、発生時間が早朝5時発生と想定すると、
全県で
死者5,900人
重傷者19,000人

県内150万棟の建物のうち地震動や液状化で大破被害の建物は13.1万棟と成っています。
150万棟の建物のうち、木造住宅は92万棟、さらにそのうち耐震基準強化以前の建物は59万棟あります。この59万棟のうち、耐震補強されていない多くが大破となるのでしょう。

是非、この機会に皆さんも自宅の耐震診断及び耐震補強工事を考えてみてはどうでしょうか

次回は、静岡県の耐震診断及び補強工事の施策、並びに補助金の制度についてお話しします。

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