建築士カトーのヒトリゴト

東日本大震災について10

『液状化』

 

 

今回の震災では、「液状化」という言葉が大変有名になりました。

 

千葉県浦安市では大きな被害がでました。

内陸部の栃木県などでも、もともとの沼地などで発生しています。

 

液状化」は直接人的危機に陥るような被害の発生は少ないと言われていますが、建物に対する被害はおおきいものがあります。

 

また最近の造成では技術が進み同じ埋め立て地区でも、埋め立て完成年度と追うと、昔の埋め立て地区ほど液状化被害が大きく、最近の埋めた縦地区は被害が少ないそうです。

浦安市を見ても、埋め立て地を海岸に向かい海に近くなればなるほど、近年の工事になっています。海岸に近づけば近づくほど液状化の被害は少なくなっているそうです。

 

 

 

 

では「液状化」とは

 

地震時に液状化しやすい地盤とは、地下水位が高く、かつゆるく堆積した砂質地盤です。

人工的な埋め立て地や、比較的最近に堆積した沖積層以降の地盤の場合が多いといわれています。

 

地下水で飽和していることが液状化の発生の条件となります。

 

一般に地盤は土や砂、水、空気などで構成されています。しかしこのとき水で満たされていると、普段は砂の粒子がお互いにくっつきあい、その間に水がある状態で安定しています。

 

しかし、この状態の時地盤が地震で揺さぶられると砂同士のくっつきが離れて水に浮いたような状態になります。

専門的に言いますと、繰り返しの揺れ(せん断応力)に応じて有効応力が低下し、剛性が低下することによって せん断ひずみ が増大する。

といいます。 

 

液状化が発生すると液状化地盤はは液体のように非常に柔らかくなり、かつ地盤は大きく揺れます。

地下の圧力の高まった水と砂が共に地表面に吹き出してくる「噴砂」と呼ばれる現象がおきます。

地震後土粒子間の水が抜けることによって地盤の沈下が生じます。

そこでさまざまな建物被害を起こします。

 

次回は液状化対策を検討しましょう。

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