建築士カトーのヒトリゴト

東日本大震災について7

『地震保険』

 

東日本大震災では多くの方々が家屋や財産を失いました。

ある日突然襲ってくる大地震の災害から財産をどう守っていけばいいのでしょうか?

 

火災保険は火災や風水害の被害に対して補填するものです。

地震や津波による住宅の被害は原則補償されません。地震で起きた火災も対象外です。

 

地震による火災や津波被害に備えるためには地震保険を利用するのが基本です。

 

今回の東日本大震災で被災した個人への地震保険支払額は4月27日時点で3325億円で支払い件数は19万2000件だそうです。

平均で173万円となっています。

 

 

 

地震保険では地震もしくは噴火またはこれらによる津波を直接・間接の原因とする、火災・損壊・埋没・流出によって、保険の対象について生じた損害が支払内容の「全損」「半損」「一部損」に該当する場合に保険金が支払われます。

 

震保険の加入は火災保険とセットで地震保険だけの契約はできません。

すでに加入している火災保険に地震保険を追加することはできます。

 

保険料は地震の起きる危険の度合いによって地区毎違います。

1000万円の補償に対しての保険料は地震が少ない地方では年1万円ですが、東京都では3万1300円だそうです。

ちなみに岩手県、栃木県、福島県は地震が多発しない地区として最低ランクの1万円でした。

静岡県はもちろん最高ランクの3万1300円です。

 

保険金は、火災保険の保険金額の30%から50%の範囲内で決められます。

上限は建物が5000万円、家財が1000万円です。有価証券や自動車、30万円以上の貴金属は補償されません。

 

保険金は「全損」で契約金額の100%、「半損」で50%、「一部損」で5%となっています。

 

たとえば保険金2000万円で火災保険を契約したとすると、地震保険で契約できるのは最大で1000万円です。

しかしここで大切なことは、支払額は契約金額ではありません。

新築や購入したときにかかった金額ではなく、『時価』が支払い金額の上限となります。

建物は通常年木造で自宅用で年3.1%評価価値が下がると言われています。(建物の構造、と仕様で異なります)毎年建物固定資産税が下がるのはこのためです。これを償却率といいます。

ちなみに評価額算定は

減価償却費=建物の購入代価・建築費等×0.9×耐用年数の1.5倍の年数に対応する償却率×経過年数

となっています。

購入金額が2000万円の場合で築15年の場合

評価額=2000万円-(2000万円×0.9×15年×償却率0.031)

=1163万円です。

保険金2000万円で火災保険に入っている人は、全損の場合半額の1000万円が採用され支給されます。

計算すると築18年が建物価値が半分になる年数です。

このお宅は築18年後には保険金の見直しが必要ですね。

 

参考

償却率

木造モルタル塗り0.034

重量鉄骨造0.02

軽量鉄骨造0.036

RC造0.015

軽量鉄骨(プレハブ住宅)は木造より評価が低いのです。

 

 

 

 

 

 

 


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