『誰も守ってくれない』
モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞受賞映画
その脚本は、 『踊る大捜査線』シリーズを手がけてきた君塚良一さん。
その君塚良一さんが監督も手がけた作品です。
報道の自由とプライバシーの保護、マスコミの過剰なバッシングと加害者家族を誹謗中傷するネット社会。
被害者ではなく、加害者家族の保護というテーマを取り上げた、深く考えさせられる、良心を持つ方にはずしりとくる重たい映画です。間違いなく上級映画の部類です。
カトーさん評価では、先日の『感染列島』抜いて今年観た8本の映画の中では一番良くできた映画と思いました。
2006年の映画で東野圭吾原作の映画化の『手紙』というのがありました。今回と同じく殺人犯の家族をテーマにした作品でした。
報道の自由という名のもとに過剰な報道をするマスコミ、低次元な人間が行っているとしか言えないような誹謗中傷を違法なところまで踏み込んで行っているネット掲示板。
考えるべき事は多いのではないでしょうか。
「驚くのは、この映画の書き込みで、被害者の家族を守るようなストーリーに違和感があって、途中で退席しようと思ったくらい。」
「こんな大げさのストーリーあり得ない」
「被害者家族の事を思うと、加害者の家族は同罪」
などと書く人がいることに、心の芯から悲しく感じました。
私達のこの地方に、関西である殺人事件を起こした加害者の兄弟が避難して住んでいるといいます。廻り方の誹謗中傷で、静岡県西部の町を転々と引っ越しをされているそうです。
「人として正しいこと」何か、目の前に繰り広がられる現実では、判断できなくなってしまっている人が実は多いのでは無いでしょうか。靜に良心とは何か考えてみたいものです。
最後に、佐藤浩一さんの演技はいいものがあります。
志田未来ちゃんはこの年齢では珍しく、目で演技のできる若い俳優さんでした。将来楽しみな女優さんです。
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