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岩手県北部地震

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岩手県北部地震


 
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今日の日本経済新聞の記事では、『岩手県沿岸北部を震源とする今回の地震で、政府の地震調査委員会は太平洋側から日本列島の下に潜り込む太平洋プレートの内部で発生したものと発表しました。

今回の地震はプレート内でも下層部分で発生している。このタイプの過去の地震では余震が少なく委員会では「余震が低調なのは深い場所で発生する地震に良く見られる傾向」と言っている。

また、今回の地震が0.2秒という短周期のゆれが際だっていたことも明らかにした。

阪神大震災で建物被害をもたらしたような周期1~2秒前後の揺れは少なく、建物被害が比較的少ないという今回の地震の特徴を裏付けた。』と書いています。

 

ここで周期と周波数

 

振り子の重りを手に持って左端から離したときを想像してみてください。
振り子が左端から右端へ行って、再び左端に戻ってくる時間を振動の周期といいます。
1秒間に同じ状態が繰り返される回数が振動数で、繰り返しの時間、
つまり周期が0・5秒であれば、振動数は2であり、2ヘルツという単位で呼びます。
また、この振動数のことを周波数とも呼んでいます

 地中を伝わる地震波は硬い地盤ほど速く伝わり、軟らかい地盤ほどその速度は遅くなります。

この遅いというのは、1周期の間に波の進む距離(波長)が短くなるということ。

ひとつの波長に含まれるエネルギーは土の種類によって変わることはないので、
硬い地盤から軟らかい地盤に到達した地震波は波長が短くなる分、
振幅が増大して、エネルギーを一定に保とうとします。

これが、軟弱地盤のよく揺れる理由なのです。
 今回の北上山脈は古い地盤が地表面に露出している、地盤の固い地方です。 地層の厚さが同じ場合、軟弱な地層ほど振動の周期は長くなり、
同じ軟弱な地層の場合では、層の厚さがあるほうが周期は長くなります。
 今回の北上地方は、阪神地方より地盤が固く、すなわち周期も短かったのだと思われます。 もう少し言うと、建物の周期は高いビルで3~5秒、木造住宅は0.1秒から0.5秒くらいで、耐震性の高い住宅の方が短く言い換えると新しい住宅は短く、古い住宅は長くなります。古い住宅ほど軟弱地盤の周期に近くなり、共振して被害が大きくなりがちです。 今回の地震は建物の周期と共振しにくく被害が少なかったといえます。  

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