建築士カトーのヒトリゴト

木造住宅の耐震診断

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一度精密耐震診断してみてはいかがでしょうか。


現在、なかけんハウジングでは、私がもっぱら木造の耐震診断判定の担当者として、現場の対象の住宅を調査し(調査は部員みんなに協力してもらっています)、作図して、コンピュータ入力して解析しています。

 


診断法の種類は

(1) 「誰でもできるわが家の耐震診断」 :一般ユーザー向け

(2) 「一般診断法」 :建築士および建築関係者向け

(3) 「精密診断法」 :建築士向け

とあります。

 

(1)   の「誰でもできるわが家の耐震診断」は、一般の人が自ら住まいの耐震性をチェックしたいといった場合の簡単な診断法を提供するとともに、耐震性に関わるキーポイントを啓発することを目的としています。

(2)   の「一般診断法」は耐震補強の必要性の判定を目的としています。

(3)   の「精密診断法」は補強の必要性が高いものについてより詳細な情報に基づき、補強の必要な最終的な診断を行うことを目的としています。診断する人はやや高度な建築に関する知識を、経験が必要であり、原則として建築士そ想定しています。

  

実際のところ、一般的に昨年までは、建築士会がExcelで作成した診断ソフトで診断した一般診断法というものでやってましたが、昨年春より精密診断法というもっと高度な解析で診断することを要求されています。

 

精密診断法には

①『保有体力診断法』

②『保有水平耐力計算による方法』

③『限界耐力計算による方法』

④『時刻歴応答による方法』

の四つの精密診断法があります。

 

私も、昨年春より、(3)の「精密診断法」の中の①の『保有体力診断法』によって診断しています。

専門知識がいる診断法で、かなり苦慮してはいます。

実はこんな話をするもの、昨日浜松市役所の建築住宅部建築行政課から電話が直接私に有り、コンピュータによって打ち出されたデータの内容について説明を求められました。

 

即答ができず、調べた結果を先ほど、浜松市の行政課担当者に電話で説明をして納得を戴いたところです。

 

柱接合部の耐力低減係数の説明でした。

 

実は、今まで説明してきた(3)の「精密診断法」は国土交通省住宅局建築指導課監修で財団法人日本建築防災協会発行の『木造住宅の耐震診断と補強方法』(改訂版)がすべての元になっています。


「コンピュータに打ち込んだら、こんなふうに結果が出ましたので、何故と聞かれても・・・・などという人が多いのですが、コンピュータは言い訳になりません」と最初に釘を刺されました。

 

結局、私なりに調べ、『木造住宅の耐震診断と補強方法』を再度読み直し、勉強しました。

結果は、 「柱接合部の耐力低減係数は『木造住宅の耐震診断と補強方法』によると、壁端柱の柱脚接合部の種類による耐力低減係数の表で欄外の注で「壁の基準耐力が1.0KN未満のものの低減係数は1.0とする」注意書きがあます。この壁基準耐力は開口低減係数を掛けるので1.0KN以下になりますので、1.0の低減係数に間違いはありません。」との答えました。

 

市の担当者も、「あそうかそうか」と納得してくれました。


簡単そうに答えましたが、本当は相当悩んで調べたんです。
 

みなさんのお宅も、一度精密耐震診断してみてはいかがでしょうか。

気楽に、ご相談ください。

 

追伸:

建築士の仕事というと、間取りを考えたり、デザインしたり、色決めたりが注目され、デザイン系、文系の仕事の用に見えますが、実は構造などの理論はもちろん、設計でもいつも電卓内ながらの理数系の仕事なんです。


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