建築士カトーのヒトリゴト

住宅何年もつの?

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200年住宅って何?


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3月12日にコメントいただいた方の中の質問。

「今建てた家は何年もつのですか?」

何年もつのでしょうか。私にも分かりません。
200年もつのでしょうか。
もつかもしれない。
それでも普通に使って50年はもたないと辛いですね。上手に使って数十年は使えます。
 

私の家内の実家は1850年頃の建物です。まだまだびくともしていません。まだまだ何年も使えそうです。
ただし、「構造体はです。

トイレは外部。リフォームで内部につくりました。
リビングはいろりでした。いいように思いますが、毎回火を付けるのが大変で、コストもかかり板の間にしました。
台所は土間でした。いろり端から下駄に履き替え炊事していました。薪きでご飯を炊き、ガス釜に変え。結局板の間にしてキッチンを入れました。
お風呂は薪からガス炊きへ、そして寒さに我慢できずユニットバスにしました。年老いた親は大喜びです。きれいで、さめず、寒くないと。 

今建てた家でも構造体は数十年も使えるでしょう。

耐震補強工事を何棟も行っていますが、柱・梁が腐って使い物ならないなんてことは、40年前の家でも見かけません。
問題が発生している物件は殆ど雨漏りです。見えない箇所での雨漏りです。そこにはシロアリも来ます。 

良く設計に方が、雑誌で見てきたことをそのままに壁体内結露の話をしますが、結露での駆体の腐りはこの地方の昔の建物には見かけません。
建物の構造体を駄目にしている原因は、すべて雨漏りです。この地方は、寒冷地の山梨県、長野県と違って壁内結露はあまり心配はいらないようです。実績が示しています。 

住宅の寿命は何をマーカーにして決めるのでしょうか。

 
耐震補強して見ると40年前の家も柱・梁は健全です。
しかし、フローリングはぶくぶくです。
壁はべろべろです。しかし生活できています。
古く成って切実に困ってしまい、建て替えようかと思う一番の原因は、
使い勝手の変化ではないでしょうか。

40年前と今とはインフラ機器が大きく違います。生活様式が、やはり大きく違います


200年住宅を造って、200年建て替えないなんて、余程無理な、不自然な生活を続けなければ無理です。
 30年すれば生活様式は今とはまた大きく変化しているでしょう。200年すれば何がどう変わっているか分かりません。
リフォームリフォームを続けて200年使い続けるには、大きな費用もきっとかかるでしょう。

今は1坪タイプのユニットバスが普通ですが、50年後には最低2坪タイプが当然の時代に成っているかもしれません。「こんな小さなお風呂は嫌だ」と孫に言われるのかもしれません。

大容量の電気容量を使う時代かもしれません。壁体内の電線そのものが火災を起こすほど無理がかかるのかもしれません。

そう思うと、200年住宅建築があまり良いのだとばかりは言えないかもしれません。当然費用は相当増しますから、費用対効果がどこにでるかは、私にはわかりません。
 

今建てる住宅は、同じ間取りで良ければリフォームしながら、窓を締め切らず風を通しながら使えば、50年以下ってことはありえないと思います。
 

しかし、立て替えようかの悩みの原因は耐久性の問題でしょうか。そこではないように思うのは私だけでしょうか。


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