建築士カトーのヒトリゴト

断熱と結露(3)

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地域に見合った家づくり(3)


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前回お話しした、北海道の家づくりの話の続きです。

前回お話しした北海道の家では、室内で厚着しないで薄着で快適に過ごす。
話を聞くとあこがれますよね。
しかし、よく調べると冬でも日中マイナス気温になる日がある地方の話です。
一日中暖房を付けっぱなしにすることが多いでしょう。
このような地方では、ランニングコストが大変なことでしょう。大変な出費だと思いますよ。その為にも、断熱には十分お金をかけて施工しています。
一般的な現在建てられている浜松地方の住宅とそのイニシャルコストの差はおそらく専門家の立場からみても、100万円の収まる範囲とは思えません。
同じ金額を掛けるだけのメリットがこの浜松地方ではないというお話しをしていきたいと思います。

ブログにコメントいただいた方ありがとうございます。
ブログを書いても反応が無いのがとっても実は辛いんです。
是非皆さん、コメントをお願いします。

さて。「冬の寒い時期に暖かい家と寒い家って、地域が違ってもいやじゃないですか?」
とのコメント。

もちろん寒い家などいやに決まってますよね。
私がお話ししたいのは、同じ断熱計画、暖房計画は地域差があってしかるべきだろと言うことです。ようは費用対効果の問題を考えているわけです。

私は、耐震診断で昭和56年以前のお宅を年に何度も調査しています。

多くの当時の家では、暖房計画は全く成されていません。

壁に断熱材が入っている家は少ないです。嘘のような本当の話です。天井裏に断熱材が入っている家はもっと少ないです。本当の話です。
ここで、新築されるお客様とお話しして感じることは、そのような壁にも、天井にも断熱材がなく、ペア硝子でもなく、もちろん床下根太間にも断熱材が無い、しかも、外壁トタンの下張りにプラスターボードも使われていない昔の仕様の住宅で育った子供頃の経験から、寒い家がいやだと言っているようです。
今から30年も前に建てられた家はどこも同じような断熱仕様なんですね。蓮

本当に、暖かい家に住みたいと思うわけです。あれだけの、スースーする家では。

しかも私達が子供の頃は、この地方でも、年に何度も雪が積もり、雪合戦をしました。私の高校生の時に雪で交通機関が止まり、授業に成らなかった経験もあります。今よりずっと寒い気がします。(掛川市で12cmも積もったんですよ)

ところが、今の住宅は、一般的な格段の仕様の差があります。なかけんハウジングの一般仕様でも、床下断熱材、壁充填断熱、天井裏断熱材敷き込み(1階2階とも全部屋天井裏には敷き込みます)としています。
決して子供の頃育った家と同じ寒さの体感ではありません。みなさん十分に暖かいことを喜んでいます。

コメントいただいた方の「寒い家っていやじゃないですかのご心配はこの地方では今の一般的な断熱計画の家づくりでは無いと言うことです。この地方の仕様を北海道、青森、長野に持って行けばきっと寒いでしょうけれどね。

この地方では、100万円掛けて、北海道仕様に近くしても、快適さは変わらないと考えています。

費用対効果を考えると、冬の寒さ対策で必要以上の費用を掛けるより、夏の暑さ対策に費用を掛けた方が、効果あると思います。
この先お話しする、遮熱系の仕様にお金を懸けることの方がメリットあると思います。
決して寒い家には成りませんよ。今の住宅メーカーのどの仕様見ても。(この地方では)

前回お話しした宣伝本のことは、「高気密高断熱を採用しなければ、寒い家に成ってしまう。」とか、「もう、家づくりの当たり前の仕様だ」くらいに書かれています。
しかも、外断熱工法が、充填断熱工法(内断熱工法とは基本的には言いません)より暖かいなどと、公然と言っているのを批判しました。外断熱工法は違う部分でメリット、効果があるのです。なかけんハウジングでも何棟か施工させていただいています。
暖かさはその材料の熱伝導抵抗の和で決まります。外にあろうが、中にあろうが暖かさに変わりはありません。ここで、結露の問題が出てくるわけです。内外の温度差が大きい地方では外断熱の効果がここで発揮できるわけです。

決して外断熱が充填断熱に暖かさでまさるとは言えません。
換えって、一部屋ごとの壁天井に断熱材を入れ、一部屋ごと囲った方が省エネで暖かいかもしれませんよ。(私の自宅はそのように施工しました。快適です。秊)
その当たりが、誤解されています。そこには、外断熱を営業している住宅会社や、宣伝本が、影響していると思うので、前回のような話になるのです。

だから、当社の美咲台モデルに来場していただいた方が、「私は子供の頃、家が寒く仕方なかったから、今度建てる家は絶対外断熱」と言い出すような、わけの分からない話が出るのでしょう。蓮

コメント(2)

>一部屋ごとの壁天井に断熱材を入れ、一部屋ごと囲った方が省エネで暖かいかもしれませんよ。

家を建てるときに教えて欲しかった。
家って3回建ててないといい家にならないって聞いた事があるけど、正直言って何処で釣り合いを取るかが大切ですね。

こんにちは。
住宅新築を検討している者です。
外断熱工法はエコロジーが求められるこの時代の必要なものであると考えていましたが、
どうやらそうばかりでは無い様ですね。
日本には外断熱が必要な地域は有るけれども、静岡県では単なる過剰装備=コスト割り増し=高い買い物ということが解かりました。

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