『環境パイルについてその2』
昨日施工した兼松日産農林(株)の環境パイルについて、もう少し説明いたします。
まだ、広く知られていない施工方法で、今日、住宅保証機構の保険加入について、木の杭?のような質問がFAXで入りました。
内容は「建築基準法では、建築物の基礎に木くいを使用する場合は、(中略)常時水面下にあうようにしなければならないとありますが、このことはいかがでしょうか」といった内容です。
環境パイルの存在そのものがまだ浸透していないようです。
これをきっかけに、私達も広めていきたいと思っています。
まず、この工法は、『財団法人 日本建築総合試験所』 の 『建築技術性能照明』 を取得しています。これによって、建築基準法の縛りからも解けることになりました。
さらに、いいところが沢山あります。
1.自然材料しかも国産材の木材を地盤補強に使うため、環境負荷の低減が図られる。ということ
木を伐採することで、この木が将来光合成で吸収するCO2の4倍から10倍くらい、なんと鋼管杭やセメント杭は製造過程でCO2を排出するのです。
結果、家1棟あたり、5~11tのCO2が削減されるようです。
2.工期の短縮
環境パイルは、1日60本の施工が可能ですが、柱状改良となると3日ほどかかります。2日間の工期短縮になります。
3.支持力が同等
柱状改良工法で600mmφで50KN/本を設計できます。この環境パイルでは45KN/本の設計ができます。
今回のO様邸では、32KN/本を設計数値をしましたが、実測値ではすべて70KN/本 以上を測定しました。
などが上げられています。
さらに今回採用した深い理由がまだあるのです。
「今回の建設地の菊川市加茂地区は、軟弱地盤が深く続く地盤が悪い場所です。
支持層が深いため支持層まで達する鋼管杭施工等はコストパフォーマンスが大変悪い、その結果、摩擦杭が採用されます。
そこで柱状改良杭が選択されるはずなのですが、柱状改良というのは、その建設地の土とセメントを混ぜ攪拌しながら、600mmφ程度の大きなセメントと土の混合柱を地中に作る工法です。
しかし、過去のこの地域の他の物件例からしてこの加茂というところの土がセメントとと愛称が悪いということが分かっていました。
そこで、「施工前に、現地に重機を入れて、地盤深さ2m程度の土を採取し、試験練りを行う。」 を検討していました。しかし、試験練りした試験体が固まるまでに何日かかるのか?重機入れてGL下2mの土を掘り出すのにも大きな金額がかかってしまう。」
というものです。問題だらけでした。
今回の環境パイルは、まさにここ加茂という土地にあった施工方法だったと言えます。
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