建築士カトーのヒトリゴト

能登で地震

 昨日、能登半島沖を震源地にマグニチュード6.9の地震が
ありました。輪島市、七尾市で震度6強、氷見市で5弱
でした。

 日曜日の朝のゆったりと流れる空気の中、いつものTV
番組を見ていた私に画面に流れる字幕スパーが目に飛び込んで
来ました。それは大変な驚きでした。

 実は、私の家内の実家が能登半島の付け根にある
富山県氷見市なんです。

9:50には電話を入れてみましたが繋がりませんでした。

災害連絡用に電話回線を空けておくべきで、こういう時は
遠慮すべきと家内とも話し合いましたが、やっぱり身内の
安否が分からないという現実的な事態に直面すると
そうはいってられないものですね。(;_;)

 私達の住んでいる静岡県、ここにいつ来てもおかしくない
と言われている東海沖地震では(起きる前から名前が付いている
のも何ともおかしなものですが)、旧雄踏町から旧舞阪町、
旧豊岡村南部の袋井市と磐田市の隣接地域から旧浅羽町北部
にかけて、旧小笠町と旧大東町の接する地域、
岡部町南部に隣接する藤枝市と焼津市の隣接する地域、
静岡市の一部から清水港周辺、
韮山町の一部等々が震度7と静岡県では想定して
います。
http://www.e-quakes.pref.shizuoka.jp/data/higai/3a-shizen.htm

地震の規模はマグニチュード8
死者の数は5851人と県では想定しています。

日頃から緊急の連絡方法を家族で話し合っておくのは
必ず必要だと今回の事態で感じました。

ちなみに実家では、花瓶が割れたり、鏡が倒れて割れたりの
程度で済んだそうです。(^O^)

ここで住宅の耐震お話しをしておきたいと思います。

今の建築基準法で建てた家は木造でも、プレハブ住宅でも
大きな被害は出ないと言われております。

TVで「住宅メーカーが私達は阪神淡路大地震でも被害が
ありませんでした。」というCMを目にしたことがあるかと
思いますが、実は阪神でも、新潟でも新築の住宅は殆ど
被害が無かったと言われています。一部に出た被害は
構造の問題ではなく、施工の問題であると私は考えています。

私は「地震に強い家」を相談された時
「今の法律の上で建てられる住宅はどんな構造の家でも
大丈夫ですよ」と答えています。

「大地震が来たとき他の新築住宅が倒壊しても私の家は大丈夫
であってほしい」と思い、地震に強いをうたい文句にしている
住宅メーカーにこだわる方が多いのですが、その必要は無いと
私は答えます。

 私は、地震時に被害を最小限に抑えたいのなら、
コストが高いPC系住宅、鉄骨系住宅より
コストを押さえた木造住宅に免震装置を加えた免震住宅を
お勧めします。
前者の住宅と木造在来住宅とのコストの差額で免震装置は
付けられるのです。

大地震時前者でも家具は転倒しTVは2~3m飛んできます。
しかし、免震住宅であればそれもありません。
震度は半分になると言われてます。

また、家を造る時、地震に強い家を希望するならば
構造以前に間取り(家の形、被害の出にくい形)に
注意を払う事、
地盤調査結果を正しく判断された基礎下
(杭、地盤改良、柱状改良等)
の設計が大事である
と私は思ってます。

メーカーさんの話を過剰に反応せず、詳しい方の意見を
求める事をお勧めします。

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コメント(1)

今日は、始めまして。
能登の地震はすごかった割に、人の被害は阪神よりも少なかったのが不幸中の幸いでしたよね。
この地震で被害のあった建物は、やはり古い木造住宅が多かったと聞いていますが、その方程式(といってはいけないのかもしれませんが)必ず当てはまるとは限らなかったとも聞いています。古くても木造でも被害の小さい家も多数あったと聞いています。
カトーさんのブログでは施工や基礎工事がポイントであるとおっしゃってますが、そのほかにどのようなことが言えるでしょうか?よろしければもっと詳しく意見を伺いたいです。宜しくお願いします。

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