建築士カトーのヒトリゴト

土地の選び方3

『建築基準法による意外な落とし穴』

 

 

さて、 「地盤が良く」 、 「平地」 の土地を見つけました。

価格も無難です。

「よしっsign03」と飛びつきそうですね。まだまだご用心wobbly

 

まずは、建築の『用途地域』を確認してください。

 

何故かsign02

 

建ぺい率

容積率

北側斜線

隣地斜線

採光面積

などからその土地の大きさ、形状で希望の家が建たない可能性がはらんでいます。

建ぺい率、容積率は?

 

住居系の専用地域では、建ぺい率30%、容積率50%なんて厳しい地区もあるのです。

第一種低層住居専用地域では40%と60%の組み合わせはざらです。

閑静な住宅街で、50坪の土地を購入しました。建ぺい率、容積率が30%、50%の組み合わせだったら15坪の建坪、延べ床面積20坪の家しか建てられません。殆ど家と言えません。

40%、60%でも20坪、30坪です。

 

建ぺい率、容積率はしっかり把握して購入しましょう。

 

では、北側斜線は?

 

第一種低層住居専用地域では、建物が真北方向で隣地境界部分で5m上がってそこから1:1.25の角度で書かれる斜線内に家がすっぽり入らないといけません。

私の計算では、庇のでが750mmの場合に壁心が真北方向に隣地境界から1.9mは離れていないと、建築基準法の北側斜線にかかってしまいます。

 

東西に細長い敷地では、折角の土地でも家が建てられない可能性が高くなってきます。

 

道路斜線では?

 

道路斜線とは、建物は接している前面道路の向こう側境界から、1:1.25、1:1.5などの斜線内に建物が入らないいけない

というものです。

同じく私の計算では、庇の出が750mmの場合、建物の壁心が前面道路の反対側の民地との境界から5.9m以上離す必要があります。 (緩和規定がかからない場合)

道路が4m道路ならこちらがわ境界から1.9m以上道路から離さなければなりません。

 

採光面積規定では?

 

実はこの法律が一番やっかいです。

北であっても、南であっても関係ありません。民民境界からの離れが規定されます。

住居系地域では居室(リビング・寝室・洋室・家事室など)で室内面積に1/7の有効な窓が要求されています。

では、何が有効な窓といえるのか、を説明するのは難しいので、今回も私の計算で言うと、庇の出が750mmの場合、民民境界から壁心で2.6m離す必要があります。 (部屋の大きさで変わります。一般的LDKで計算しました)

 

東西に細長い住居系地域では大変な法律です。

東西に道路があり、南北が民地で接している細長い土地では、間口3間位(5.46m)の建物を建てようとすると、敷地は間口は10.66mも必要なんて場合も出てきます。

 

最近の事例でも、採光面積の関係で、屋根の形状を変更せざる得なかった例、南側に採光面積のために民地境界からの距離を取る必要が出て、北側に建物を移動せざるをえず、その反動で北側に駐車場が思うように取れなくなってしまった例があります。(この配置プランは他社様のプランでした)

 

カトーさんも何度も、この採光面積には泣かされています。

 

土地を購入する前に、しっかりここらを検討しないといけません。

建ぺい率積率は不動産関係者も知識を沢山持っていますが、北側斜線道路斜線は案外詳しくありません。ましてや、採光面積と敷地の形状の関係を説明できる不動産屋さんはいないでしょう。そんなところにまで詳しい不動産屋さんには会ったことがありませんから。

 

不動産屋さんの誘導で土地を購入したものの、建築基準法のおかげで希望の家が建てられないことって、取っても多いんですよ。

 

 今回、「土地の選び方」では、この建築基準法対応と土地の関係を一番説明したかった事でした。

 

是非、カトーさんに相談ください。

 

 

 

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