建築士カトーのヒトリゴト

人として正しいこと(3)

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人として正しいこと
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最近ブログの中で専門家の私がびっくりするくらい勉強されて家づくりされている方が多いのに驚かされます。

しかし、家づくり日記などを読むと、その多くの方が、住宅メーカーや機器メーカーの営業の話に心服してしまっていて、他の営業マンの言っていることに耳を貸していなかったり、調べているのが、ネットのブログや掲示板であったり、読んでいるも大学教授か書いているような専門書でなく、営業かかった人のセールス本だったりしているのが気になります。怜

それらの本は自社の取り扱っているシステムを営業するために書かれた本なので、根本的に否定的なことは当然書かれていません。

たとえば、『「いい家」がほしい』、だったり『体にいちばん快適な家づくり』や、『建てる前に読む本』などの本は、ベルトセラー並みに売れているらしい。

しかし、読んでみると自分の営業品目の正当化を述べている偏った本です。これらの本の内容を全く鵜呑みにし、その通りだと思いこんでしまうのは大変危険です。蓮

そこには、地域差のある場合に加味しないといけないシステム家族構成で加味しないといけないシステム健康度合いを加味しないといけないシステム、があるのにそれらを無視していることが多い、等々あるのです。

たとえば、高気密高断熱などは、最近大変営業上受けの良い言葉です。猫も杓子も高気密高断熱といっているような気がします。(お客様のネコ呼ばわりは失礼しました。蓮)

高気密高断熱は大変良いものです、私もそう思います。しかし、寒冷地での話です。ここ浜松市近辺では、到底費用対効果が望めません。
良いに決まっていますが、掛けた費用の割に効果が望めないのです

東北地方、北海道では、室内をがんがん暖房し、冬でもTシャツ一枚で過ごす生活をします。その時、屋外は零下です。しかしここ浜松地方では、冬案外暖房はこまめに消し、室内で厚着をして暖房費を節約しています。まさかTシャツで毎日過ごすお宅は少ないでしょう。それで過ごせるくらい外気温が高いのです。

断熱材メーカーの話では、この地方は断熱材の室内側に防湿シートはいらないくらい、外気と内気との温度差がなく、室内結露の心配の少ない地方だといいます。(もちろん結露は若干しますから、その結露水が再度蒸発発散する事の出来る断熱材の使用が前提です)

夏の屋根の熱を言う方もいますが、屋根対策で十分です。

それなのに「お宅は標準で外断熱じゃないのですか?」「お宅は標準で高気密高断熱じゃないのですか」といってくる、洗脳された知識の方がとても多いです。

それはネットや営業本での知識収集が原因です。それくらいブログやネットの掲示板の情報は正確で無いものが非常に多いのです。

私も希望に添って何件か高気密高断熱住宅を手がけましたが、「そこに費用かけるのだったらあそこを・・した方いいと何度も進言するのに、・・・・・・」と思うほど、別のヶ所を質素に我慢しているのです。

結局、その後アフターでお伺いすると、殆ど1年中窓を開けて過ごし、冬に一時期しか全館暖房は使っていないのがこの地方の現実です。

話が、高気密高断熱のことで熱くなって横道にそれてしまいましたが、私がいけないぁと思ったことは、素人マニアの方が、ブログや掲示板で、間違った考え方を正当だと信じ、自慢高々に経験者として間違ったままアドバイスしていることが何と多いことかということです

高気密高断熱に決まってるよ。

断熱材は○○○が素晴らしいよ。

床暖房は××サ。

空調システムは××がいい。

レンジはIHがいいに決まってる。

こんな時はこう対応するのが一番。

と書き出したらきりが無いほどあります。

アドバイスには、地域差家族構成の差健康度の差趣味あこがれ育った環境収入等の差を加味した責任持ったアドバイスが必要です。

人としてモラルあるアドバイスをお願いしたいと思います

そして、皆さんはそれらが中途半端な情報であることをよく承知して、注意してネットや市販本をお読み頂きたいと思います。

人として正しい行動が出来るよう、決して前記の様な書き込みを自信満々に書き込みするような人にならないでください。

続く

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