建築士カトーのヒトリゴト

人として正しいこと(2)

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人として正しいこと

今世間を騒がしているミートホープ社事件。信じられない事が日本で起きていました。

中国人のモラルの低い行動の報道が相次ぎ「中国人って信じられない」って、日本人の誰もが思ったのではないでしょうか。

私が中国北京に旅行した時も中国人には驚かされました。
どこで買い物しても店員さんは私を何とか騙して高く売ろうとしました。大きなお金を出しておつりをもらおうとすると決して出さない。おつりを返そうとしない。あげくの果ては店の奥に逃げて行ってしまう有様でした。

ペットボトル1本買うのにも、100円出せば1本100円になり(現実には元ですが)、500円出せば500円になり、1000円だすと1000円になり、驚いたことに1万円の高額をだせばやっぱり1本1万円になってしまうのです。怒鳴って怒ると、おつりを出すのかと思えばペットボトルが2本、3本と増えていくばかりです。そんなにもらっても困るのにね。(笑)
 結局、数本のペットボトル受け取り諦めてことにして、廻りの人に配った友人がいました。

帽子買ったらおつりがもらえず、1時間粘ったが駄目で、結局キャップを30個受け取ってきた年配者がいました。(バスの中でみんなに配っていました)

私達日本人には信じられない出来事でした。同じツアーの仲間達の中で旅行中大いに中国人のモラルの無さが、参加者の皆さんの体験から大いに話題になったものです。

今回の事件は、それが中国人ばかりじゃない。日本人も同じだ!!驚きを通り越して皆さんも悲しい気持ちに成られたのではないでしょうか。

しかし決して他人ごとでは無いのです。
私達も個人差の中で大小の違いはあっても誠実さを欠いた行動、言動があるのでは無いでしょうか。振り返って反省したいと思うばかりです。

設計者の立場で仕事をしているのですが、内装、間取りに合わせ、時間をかけお客様の趣味に合うカーテンをコーディネートすると、そのまま市中の安売りカーテンショップに行き、こちらに無断で発注してしまう方がいます。

建物に合った外構をお客様の希望を聞きながら図面作成し御見積を出すと、知らぬ間にどこかの業者さんで外構工事が進んでいることが何回かありました。

多くの殆どの方は、「他社から見積取ってもいいですか」とお話しがあります。「その後他社が安いのでそちらにお願いしても良いですか」とご連絡いただきます。その時は「いいですよー」と答えます。

しかし、一言もないと大変悲しい気持ちになります。そのお宅にはその後、足が向きたがりません。

設計し、コーディネートするには事前打ち合わせし、商品を悩みながら検討し、プレゼンボード作成や図面作成するといった手間がかかる作業をします。
企業としてはそれなりの経費を掛けてお客様対応しているわけです。
人が時間を掛けて動けばその間の人件費がかかります。それに経費もかかります。それが会社というものです。

月の給料を月時間で割ると、結構な人件費及び関連経費が必要とわかります。

しかし、「ごめんね、他に施工させてもいいですか」と言われれば、「いいですよー」と快くお話ししています。(内心は大変辛いと思っていますが。)

それが無断で行われると、騙されたと思ってしまいます。そのお客様はそこまでの罪意識が無いと思うのですが、している行動は決して小さな悪ではないのです。結局知らないところで悪人になっているのです。大げさな言い方ですが、私が言いたいのは、『人はついつい「自分が正しく、他人が間違っている。自分がしている事はこれくらいまでは許される常識だけど、他の人が行う、いけない行動は、“非常識”、“信じられない行動”」と平気でいってしまう。』 そんな自分勝手なことを言ってしまう動物なんだということです。

たとえば、給食費を払わない親は“信じられない人”と批判するのに、NHKの受信料を払っていない自分は“受信料払わないくらいはいいの!”で片付けてしまう。など良い例です。

上記のカーテンや外構の事例も同じなのです。意識しないと案外誠実という物は出来ないものなのです。

続く

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